英語の句読法その2:セミコロン、コロン、ダッシュの使い方

英語の句読法の中では、日本語にはないものもあります。

セミコロンやコロン、あるいはダッシュなどは日本語で文章を書くときには使わないですよね。

ですが、こういった記号をうまく使いこなすことで、英文がより洗練されて見えるのでぜひマスターしたいところです。

今回はそのような、英語特有の句読法に関する基本的な用法をまとめてみました。

セミコロンの使い方

セミコロン(;)は通常、「独立節」どうしをつなぐために使われます。

「独立節」というのは、「主語+動詞を含み、それ自体で完結する文」くらいに考えておいていただければいいでしょう。

でもこれだと、コンマとあまり変わらないですよね。

実は、セミコロンを使う場合には一定のパターンがあります。

それは何かというと、「セミコロンでつながる前と後には『同じ重さ』の情報がくる」ということ。

つまり、セミコロンでつながる前後の文は情報として「等しい重要度」ですよ、ということなのです。

例文で見てみましょう。

例文
▶ Some people write with a PC; others write with a pen or pencil.
(パソコンでものを書く人もいれば、ペンや鉛筆で書く人もいる。)

 

▶ My colleagues did all the measurements and calculations; I analysed the results.
(私の同僚が測定と計算をすべてやってくれた。私はというと、結果の分析を行った。)

このように、セミコロンの前後の情報量はほぼ均等、あるいは対比的になるのが特徴です。

 

また、セミコロンは「前後の因果関係や論理的なつながり」を強調したいときにも使われます。

たとえばこんな使い方ですね。ちなみに前後のつながりは、順接でも逆説でもOKです。

例文
▶ The crude oil price has gone up recent months; as a result, many airlines started adding the fuel surcharge.
(原油価格がここ数か月で上がった。結果として、多くの航空会社が燃料サーチャージを加算しはじめた。)

 

▶ Many researchers dislike this conventional method; personally; I find it very useful.
(多くの研究者がこの昔ながらのやり方を嫌っている。けど私はとても便利だと思っている。)

この使い方の場合、普通に接続詞で代用しても問題ありません。

コロンの使い方

次はコロン(:)の使い方です。

なんとなく見た目カッコいいので、使ってみたいなあと思っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。

使い方に入る前にひとつだけ文法的な話をさせてください。

先ほどのセミコロンは、前と後に両方とも「独立して意味のとおる文」がこないとダメでした。

それに対して、コロンの後ろには必ずしも完全な文を置かなくても大丈夫という違いがあります。

この辺も含めて、例文で確認していきましょう。

 

コロンの使い方には主に3 つのパターンがあります。

補足説明

コロンの前で言っていることの補足をするために使います。

例文
▶ This cell phone is made intentionally bigger than previous models to serve one particular purpose: to make it easier for the elderly to see the screen.
(この携帯電話はある特的の目的を果たすため、過去のモデルよりも意図的に大きく作られている。それは、老人がスクリーンを見やすくするためだ。)

 

▶ Kung Fu is more than a form of martial arts: a work of art in itself.
(カンフーはただのいち武術以上のものである。それ自体が芸術なのだ。)

例示

コロンの前の文章で述べたことに対する例を挙げるパターンです。

例文
▶ When camping, you need to bring a lot of tools: tents, sleeping bags, utensils, and warm clothing, etc.
(キャンプするときには、多くの道具を持っていく必要がある。テント、寝袋、食器、そして暖かい洋服などだ。)

 

▶ I am good at many different sports: tennis, football, baseball, and rugby.
(私はいろいろなスポーツが得意です。テニス、サッカー、野球、あとラグビー。)

※この例文をFor exampleを使ってつなぐ場合、後ろの文には適宜主語と動詞を補足する必要があるので注意しましょう。

 

言い換え・強調

コロンの前の文で言っていることを具体的に言い換えたり、強調するパターンです。

例文
▶ Finally I got what I wanted: a job that gives me a decent salary.
(やっとほしかったものを手に入れた。そこそこの給料を払ってくれる仕事を。)

 

▶ After a series of discussions the committee came to its conclusion: the project is no longer sustainable without further funding.
(一連の議論をへて、委員会は結論に達した。そのプロジェクトは追加出資がなくてはもたないということだ。)

ごくたまに、こうしたコロンの使い方を問う問題が大学入試などえ出題されることがありますので、覚えておいて損はないでしょう。

ダッシュの使い方

最後にダッシュの使い方ですが、基本的にはコロンとよく似ています。

コロン同様、「補足説明」や「例示」に使うことができるので例文を見てみましょう。

例文
▶ All human languages have the same purpose – they communicate thoughts.
(およそ人間の言語というものは同じ目的を持っている。思考を伝達するという目的である。)

 

▶ Unfortunately, he lacks several traits required of a manager – leadership, decisiveness, and motivation.
(残念ながら、彼にはマネージャーとしてのいくつかの資質が欠けている。リーダーシップ、決断力、それにモチベーションだ。)

コロンとダッシュ、どちらを使うかは書き手の判断によるところが大きいですね。

英語はとにもかくにも同じ形の繰り返しを嫌うので、ちょっとコロンが連発したな、と思ったときに使うのがいいでしょう。

一方、ダッシュに特有の機能は次の「挿入」です。

文中に追加の情報を差し込むのですが、これはコロンというよりコンマに似ていますね。

例文
▶ Upgrading the entire system to the latest one – we have been discussing it for ages – didn’t happen after all.
(全システムを最新のものにアップグレードするということを我々はずっと待ち望んでいたのだが、結局それは起きなかった。)

※ちなみに、コンマについてはこちらの記事も参考にしてみてください!

 

まとめ

セミコロン、コロン、そしてダッシュの使い方の基本をまとめてみました。

どれもただの記号以上の意味があり、使い方もちゃんと決まっています。

英文を書くときも読むときも非常に効果的なものなので、正しく使えるようにトレーニングしましょう!

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