高校入試でよく出る不定詞。
「to + 動詞の原型」というフレーズだけは耳に残っている、という人も多いのではと思います。
この記事では、不定詞の基本中の基本から、高校入試でよく出てくる不定詞の関連表現までをまるっとおさらいしてみます。
英語の苦手な中学生や、英語をやり直している大人の方にもピッタリな内容ですので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
Contents
不定詞の基本のき:不定詞って、何?
最初にも出てきましたが、不定詞は「to +動詞の原形」というかたまりで、動詞以外の働きをするものです。
そういえば、「不定詞」ってなんで「不定詞」っていう名前なんでしょう?
不定・・・。
たとえが悪いですが、「住所不定」の「不定」ですね。
実は、この「不定詞」というのは、ホントにその「不定」のことだと思ってもらうとわかりやすいです。
置き場所が定まってないよ、いろんなところに置けるよ、ってことだと思えばイメージがわきやすいのではないでしょうか。
これから順を追って説明しますが、よく不定詞には「名詞的用法」「副詞的用法」「形容詞的用法」がある、っていいますよね。
あれって、住所不定の「不定詞」が、英文の中のどこに住めるか、っていう意味だったんですね。
この説明、英語学上の正確な説明ではありません。わかりやすさを重視した説明ですので念のため。
本当は、主語の人称・単複などに応じて形が決まらないから「不定詞」です。
それでは、今挙げた3つの用法を詳しくみてきましょう。
不定詞の名詞的用法の基本
不定詞の最初の使い方、「名詞的用法」についてです。
その名のとおりですが、不定詞を名詞の代わりに使うことができるという意味です。
また、日本語でいうと「~すること」という意味になります。
名詞の代わりなので、当然ですが名詞が置ける位置にこの不定詞をおくことができます。
具体的には、以下の3ヶ所ですね。
主語として不定詞を使う
名詞的用法の不定詞は、文頭にもってきて主語として使うことができます。
例文をみてみましょう。
▶ To play music is a lot of fun.
(音楽を演奏することはとても楽しい。)
▶ To study math is hard.
(数学を勉強することは大変だ。)
この名詞的用法、もうひとつ覚えておいたほうがいいことがあります。
主語として文章の頭に不定詞をもってくると、主語が長くなってしまう場合がありますよね。
たとえば、こんな文があったとします。
▶ To walk in the park early in the morning is refreshing.
(朝早くに公園を散歩することは気分がいい。)
文法的には正しいのですが、ちょっと頭が重たい感じがしませんか?
聞いているほうは、「いつになったら述語が出てくるんだろう・・・」という気分になってしまいそうです。
こういう場合によく使うのが、主語に”it”をおいて、不定詞を後ろにまわすことです。
(この”it”を「仮主語」といいます。)
そうすると、
▶ It is refreshing to walk in the park early in the morning.
というように、文章がすっきりします。
この文章の”it”自体には意味はなく、何を指しているかというと後ろにまわしたto walk…以下です。
なので、日本語にするときには意味は変わりません。
この「it is … to 不定詞」のパターンは受験で必須ですので、あわせて覚えておきましょう。
目的語として不定詞を使う
次に、名詞的用法の不定詞は動詞のうしろにもってきて、「~することを」という表現もできます。
この「~を」の部分を「目的語」と言います。
▶ We decided to buy a car.
(私たちは車を買うことを決めた(買うことにした))
▶ He promised to come back by noon.
(彼は正午までに帰ってくることを約束した。)
さて、このような目的語になる不定詞についてよく高校受験でも出題されるのが、動詞のうしろに不定詞を置くのが正しいか、動名詞(ing形)が正しいか?という問題。
こうした動名詞との使い分けについては、動名詞の記事でまとめて解説します。
補語として不定詞を使う
最後に、この名詞的用法の不定詞は補語(主語や目的語を補足説明する言葉)としても使えます。
Fairness is to treat people equally.
(公平さというのは、人々を平等に扱うことだ)
上の例文でいうと、Fairnessとは何か?という答えの部分がto以下の不定詞となっています。
このように、補語というのは常に文章のどこかとイコールになっているもの、と覚えておくといいでしょう。
不定詞の副詞的用法の基本
次は不定詞の「副詞的用法」です。
不定詞は動詞や形容詞などを説明するための「副詞」として使うこともできます。
日本語にすると「~するために」とか、「~して」という訳になりますね。
▶ He got up early to catch the first train.
(彼は始発に乗るために早起きした。)
▶ I was happy to see her yesterday.
(昨日、彼女に会えてうれしかった。)
この例文では、不定詞がそれぞれgot up(起きた)という動詞、happy(うれしい)という形容詞をそれぞれ詳しく説明するために使われています。
不定詞の形容詞的用法の基本
最後は不定詞の「形容詞的用法」です。
形容詞というのは、たとえば beautiful flowers「美しい花」のbeautifulのように、名詞(flowers)を詳しく説明する言葉です。
この形容詞の位置に不定詞を置くことができます。
この場合、訳としては「~するべき」や「~するための」という意味になります。
▶ Paris has a lot of places to visit.
(パリには訪れるべき場所がたくさんある。)
▶ We have to find a room to keep the baggage.
(私たちは、その荷物を置いておくための部屋を見つけなければいけない。)
不定詞がそれぞれplacesやa roomという名詞を説明しているところがポイントです。
形容詞的用法の不定詞で忘れがちなのが、最後につける前置詞です。
何のこと?と思うかもしれませんので、例文で説明しますね。
たとえば、「彼には一緒に遊ぶ(ための)友達がいません」という日本語を英語にするとします。
このとき、
(✖) He has no friends to play. は間違い。
正しくは
(〇) He has no friends to play with. です。
なぜかというと、「友達と遊ぶ」は “play with friends”というふうに、前置詞のwithが入ります。
こういう前置詞は、不定詞にした場合でも必ず残るんです。
不定詞を使うときには、この最後のwithのような前置詞を忘れていないか常に注意しましょう。
高校入試によく出る、不定詞を使った関連表現
不定詞を使った英語表現で、入試に出そうなものをいくつかご紹介します。
「too … + to 不定詞」の構文
高校入試で頻出なだけでなく、日常会話でもよく使う構文です。
日本語では「○○するには…すぎる」とか、「…すぎて○○できない」という意味になります。
▶ The station is too far to walk to.
(その駅は歩いていくには遠すぎる。)
▶ He speaks too fast to follow.
(彼はあまりに話すのが速すぎてついていけない。)
なお、受験ということでいうともっともよくあるのがこのtoo…to~構文をso… that構文に書き換えるものです。
例文をso… that構文にすると、それぞれこうなります。
▶ The station is so far that we cannot walk there.
▶ He speaks so fast that I cannot follow him.
ポイントは
・thatのうしろが主語と動詞を含んだ完全な文章になること。
・例文のように、can’t(cannot)などの助動詞の否定形が入ること。
です。何問か自分で手を動かして書き換え問題をやってみるとすぐに覚えられますよ!
疑問詞+不定詞
疑問詞というのはwhat, where, when, which, who, howのこと。(whyは使いません)
これと不定詞を組みあわせることで固有の意味が出てきます。
一覧でみてみましょう。
- what to:「何を~したらいいか」
- where to:「どこで(へ)~したらいいか」
- when to:「いつ~したらいいか」
- which to:「どれ(どちら)を~したらいいか」
- who(m) to:「だれに(を)~したらいいか」
- how to:「どうやって~したらいいか」
例文もあわせてどうぞ。
▶ I don’t know what to do next.
(次は何をしたらいいかわからない。)
▶ Do you know where to put these books back?
(この本をどこに戻したらいいかわかりますか?)
▶ I will tell you when to leave here.
(いつここを出発したらいいか教えるよ。)
▶ She was not able to decide which school to attend.
(彼女はどちらの学校に通えばいいか決められなかった。)
▶ You need to think carefully whom to follow on SNS.
(SNSで誰をフォローするかよく考える必要がある。)
▶ We had no idea how to operate this machine.
(この機械をどうやって操作するか、私たちにはまったくわからなかった。)
not +不定詞
不定詞を否定形にしたい場合は単純にnotを前に置くだけでOKです。
▶ I asked him not to tell anybody about this information.
(私は彼に、この情報について誰にも話さないようにお願いした。)
また、not をさらに強めるために”never”を使うこともできます。
▶ I asked him never to tell anybody about this information.
(私は彼に、この情報について誰にも絶対話さないようにお願いした。)
まとめ
不定詞は高校入試に必要な英文法の中でもとりわけよく出題される分野です。
形はto + 動詞の原形といたってシンプルですので、まずはどんどん使ってみて、いろんなパターンに慣れていきましょう。
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