紙の辞書と電子辞書、英語の勉強にはどちらがオススメ?メリデメを徹底比較!

英語の勉強に辞書は不可欠。

ですが、ふだんは紙の辞書と電子辞書、どちらを使っていますか?

もちろん両方持っているに越したことはないのですが、紙の辞書、電子辞書にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

この記事ではそのメリデメを整理し、英語力アップに最適な辞書の使い方を解説していきます。

また、最後に私が特によいと思っている紙の辞書・電子辞書を、中学生~社会人向けにご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

紙の辞書のメリット

まずは紙の辞書のメリットをみていきましょう。

古い人間だからかもしれませんが、私は英語の勉強をするなら紙の辞書は絶対に手元に置いておいたほうがいいと思います。

いろんな単語が目に入り、知らない間に覚える

紙の辞書を使う最大のメリットはこれだと思います。

みなさんも、ある単語を調べようと思っていたら、違う単語が目にとまって、

「へー、これってこういう意味なんだ・・・」

と新たな気づきがあった、という経験はないでしょうか?

このことからもわかるように、辞書をひくという行為そのものが実は勉強の一環になっているのです。

また、何度か同じ単語を辞書で調べてしまう、というのもよくある話だと思いますが、そのときに同じページにある単語も繰り返し目に入りますね。

実はこれも重要で、ふとしたときに、

「あ!あのとき調べた単語の下に書いてあった!」

と思い出すこともよくあります。こうした副次的な効果が紙の辞書にはあるものです。

辞書をパラパラめくるだけでも学習効果がある

個人的な印象かもしれませんが、なんとなく辞書をパラパラめくる、ということをされる方は間違いなく英語力が伸びます。

私も実際、語彙力をつけるために一時期トイレに辞書を置いていたことがあります。

なかなか出てこなくなるので家族には不評でしたが笑、こうした細かい積み重ねがあとあと大きなアドバンテージになったと思います。

1点目のメリットとも共通するのですが、英語力を伸ばすコツは英語にできるだけ多くふれることです。

紙の辞書は何もしなくてもすべての情報がそこに載っているので、まったくアットランダムにページを開いたとしても必ずそこに学びがあります。

語法などの参考情報が多い

紙の辞書にはよく「参考」や「注」として、単語の語法やニュアンスの差など、周辺情報が載っていることが多いですよね。

単語の意味そのものだけでなく、こうした参考情報を身につけておくと、英語表現の幅が広がったり、入試のときに役立ったりするものです。

電子辞書の場合、スペースの都合でこうした情報が一部削られていたり、最後までスクロールしないと見えなかったりします。

電子辞書はコンパクトである反面、紙の辞書のようにページ見開きで目に飛び込んでくる情報量にどうしても限りがあるということです。

紙の辞書のデメリット

では、紙の辞書のデメリットは何かというと、たとえば以下のようなことが考えられます。

英単語の正しい発音を聞くことができない

これは紙の辞書ではどうしようもないですよね。

発音記号やアクセントは書いてあるものの、どうしても実際の音声にはかないません。

特にセンター試験やTOEICなど、リスニングの勉強をしているときにはちょっと不便だなと思うところですね。

ここは問答無用で電子辞書の勝ちです。

重いので持ち運びしにくい

紙の辞書はかさばるし、重たいので気軽に持って出られないのもデメリットといえます。

勉強時間以外にも、ふとしたときに

「あ、この単語のスペル、これで合ってるかな?」とか、

「この単語って、動名詞と不定詞、どっちを使うのがいいんだっけ?」

というのが気になるときってありませんか?

こういうときにはやはり、手元でサクッと確認できる電子辞書に軍配が上がります。

電子辞書のメリット

電子辞書のメリット・デメリットはほぼそのまま、紙の辞書のメリデメの裏返しといってもいいでしょう。

まず、電子辞書のメリットとして具体的には以下のようなことがあります。

英単語の発音を教えてくれる

電子辞書に収録されている基本単語には発音がセットになっていることがほとんどです。

新しい単語に出会ったら絶対に発音はチェックすべきです。

目でみて覚えるだけでなく、聴覚も使ったほうが定着率がいいですし、スピーキングやリスニングにも応用がききますからね。

ただし、安い電子辞書だとスピーカーの音質があまりよくなくて、かえってストレスがたまることもあります。購入の際は必ずチェックしましょう。

和英・英和がセットになっていて使いやすい

電子辞書は複数の辞書がセットになっているので、1台あれば英和も和英も、あるいは英英辞典さえ一緒に使うことができるので非常に便利。

※英英辞典については別の記事で解説しようと思います。

辞書間の行き来も楽なので、単語の意味のチェックがスムーズにおこなえて効率的です。

また、英和で引いた日本語訳を、英英辞典でさらに確認してニュアンスを調べる、なんていうことも容易にできますね。

軽くて持ち運びが容易

いつでもどこでも、気軽に持ち運びできて英単語が調べられるのは電子辞書の非常にありがたい特徴です。

紙の辞書数冊を持ち歩いたらそれだけで5kgも10kgもあってタイヘンですよね。

一方、電子辞書は軽いものなら数百グラムで済みます。

「持ち運びが億劫・・・」というのは勉強の大きな障害になりますから、こういった物理的な側面も見逃せないメリットです。

一度調べた単語の記憶機能などがある

紙の辞書で調べたことのある単語にマーカーを引いていたら、辞書がマーカーだらけになってしまい、かえって見づらくなった・・・という経験はないでしょうか。

電子辞書なら、一度調べた単語をインデックスにしてくれたりするので混乱することもありません。

また、一部の電子辞書には「串刺し検索」といって、複数の辞書で同じ単語を一気に調べてくれる便利な機能があります。

これを紙でやったらしんどいですよね。

電子辞書のデメリット

電子辞書は使い出すと便利でやみつきになりがちですが、デメリットがないわけではありません。

おそらく、ここでご紹介することのいくつかは皆さんも経験があるのでは?

調べた英単語の意味や用法しか出てこない

「訊かれたことにしか答えない」という点は電子辞書に限らず、機械全般に言えることかもしれません。

紙の辞書であれば同じページにある単語や、めくる途中でほかのページにある単語がイヤでも目に入ってきて、それが一定の学習効果を生みます。

一方、電子辞書はなまじキレイに整理されてしまうので、そういった副次的な効果が発生しづらいのが残念なところ。

「この単語を調べた人は、ほかにこんな単語も調べています」みたいな機能があればいいんですけどね。

語法などの説明がまちまち

電子辞書はコンパクトさを追求したがために、紙面の大きさを犠牲にしてしまっているところがあります。

そのため、もともと紙の辞書に書いてあった情報を泣く泣く削除していることもあります。
(もっとも最近ではだいぶ改善されたようですが)

また、そもそも語法や文法の細かい説明を割愛して、音声情報やビジュアルに特化しているものもありますので、いわゆる「勉強」には紙の辞書のほうが向いているケースがあるかもしれません。

パラパラめくれない

私が知る限り、ヒマつぶしに電子辞書のスイッチを入れて、適当に英単語を入れてみている・・・という人はただの一人もいません。

そもそも、電子辞書の限界として、自分が見たことも聞いたこともない英単語は調べようがない、というデメリットがあります。

そのため、紙の辞書のように英単語を「教えてもらう」ことができないのが大きなデメリットと言えます。

紙の辞書よりも高価で繊細

考えてみれば当たり前なのですが、辞書数冊を詰め込んで、さらに音声まで吹き込んでいるわけですから、電子辞書は紙の辞書より高価なことが多いです。

それに、電子辞書は精密機械ですから、電池が切れたら買いに走らないといけません。

うっかり落として壊してしまったりしたらもう最悪。また高いお金を出して買いなおしです。

紙の辞書は燃やすかビリビリに破り捨てでもしない限りそんなことはないですよね。

こういうところはアナログが強いのです。

英語学習にオススメの辞書、ご紹介はここから

紙の辞書、電子辞書のそれぞれのメリデメをご理解いただけたと思います。

ここまで読んでいただいた方の中には、

「じゃ、両方買えばいいじゃん」

と思った方もいると思います。

もちろん、ご予算が許すのであればそれが一番ですね。

あとはそれぞれ、どの辞書がいいのかという話になると思います。

そこで、私がこれまで使ってきた中で「コレは役に立った」と思えるものをそれぞれいくつかご紹介します。

紙の辞書、おすすめはこれ!

Challenge中学英和辞典 第2版

この辞書の評価
レベル(中学生・初心者向け)
(3.0)
収録語数(16,700語)
(3.0)
使いやすさ
(4.0)
充実度
(3.5)
値段
(3.5)

 

英語をはじめたばかりの人に、最初の1冊としてオススメです。

中学校の基本単語を中心に必要十分な語数となっていますし、ありがたいのは例文の数が多いこと。

最初はきちんとした「型」とセットにして覚えたほうがいいので、こうした紙面になっているとありがたいですね。

収録語数は少なめですが、はじめは辞書をひくのもタイヘンだと思いますので、このくらいから慣れていくといいでしょう。

ジーニアス英和辞典 第5版

この辞書の評価
レベル(高校生~大学生向け)
(4.0)
収録語数(105,000語)
(4.0)
使いやすさ
(4.0)
充実度
(4.0)
値段
(3.0)

もはや定番といってもいいでしょう。

私が知る限りもっともバランスの取れた辞書だと思います。

自分が高校生のときからずっと使ってきたからかもしれませんが、見やすさという意味ではジーニアスが一番だと思います。

最近の改訂でますます見やすくなった印象がありますね。

また、ジーニアスのいいところは「コロケーション」という、ある単語とほかの単語の結びつきに関する例が豊富に載っている点です。

ジーニアスに載っている用例を確認すると、自分の使っている英単語の組み合わせが自然かどうかカンタンに判別がつきます。

英作文を課す大学入試などにも力を発揮してくれるので、一家に一冊置いておいて損はないでしょう。

リーダーズ英和辞典 第3版

この辞書の評価
レベル(大学生・社会人向け)
(5.0)
収録語数(28万語)
(5.0)
使いやすさ
(3.5)
充実度
(4.5)
値段
(2.5)

大学のときに非常にお世話になった1冊。重厚でかさばりますが、大学生から社会人まで必携です。

さすがに、このレベルになってくると文法の話や例文はあまり細かく書いていないので、正直言って勉強にはほかの辞書のほうが向いています。

あとはお値段が他の辞書と比べるとどうしても高くなってしまいますね。

しかし、28万語という圧倒的な収録語数と、比較的最近の改訂ということで、現代英語を広く網羅したいという英語上級者には特にオススメです。

ちなみに、リーダーズ・プラスという別冊があり、こちらは新語・固有名詞などを網羅したものになっています。

これも一緒に購入すれば、充実度は文句なしの満点ですね。

オーレックス和英辞典 第2版

この辞書の評価
レベル(高校生から社会人までOK)
(4.0)
収録語数(127,000項目)
(4.0)
使いやすさ
(4.5)
充実度
(4.0)
値段
(3.5)

和英辞典はいろいろあるのですが、この「オーレックス和英辞典」が一番バランスが取れていると思います。

和英辞典を本格的に使い始めるのはおそらく高校生からだと思いますが、コレ一冊で大学受験までは十分網羅できます。

それもそのはず、このオーレックス和英辞典は入試問題のデータを分析して作られているから。

また、受験の英作文対策という意味でいうと、和文英訳の「プロセス」解説や、日本の学生が書いた英作文とネイティブの英語を比較するコーナーなど、得点力アップに直結する内容が非常に充実しています。

ほかにも、丁寧な表現や砕けた表現のバリエーション紹介や会話の定型表現など、スピーキングにも応用できそうな情報がたくさん収録されています。

受験生だけでなく、英会話力を鍛えたい方がもし新しく買うならぜひオススメしたい1冊です。

電子辞書のおすすめはこの2つ!

紙の辞書と比べて、電子辞書のおすすめはかなり数を絞りました。

なぜかというと、ひとつのモデルで搭載されている辞書が多いので、ひとつの電子辞書をそれなりに長い間使えるためです。

MEMO
中学校では電子辞書を持ってきてはいけないところが多いようなので、基本的に高校生以上を対象としてここでは考えています。

ちなみに、その是非は本記事の守備範囲ではありませんので念のため・・・。

カシオ ex-word XD-Z4900

この辞書の評価
レベル(高校生から大学生までOK)
(3.5)
収録辞書数(14冊)
(4.5)
使いやすさ
(4.0)
充実度
(5.0)
値段
(3.0)

「高校生モデル」と銘打ってはいますが、その内容の充実ぶりは大学生以降も十分役に立ちます。

英和辞書は先ほど紙の辞書のおすすめで挙げたジーニアス英和辞典、リーダーズ英和辞典、オーレックス和英辞典をすべて搭載。

それに加えて英英辞典もスタンダードな「オックスフォード現代英英辞典」も収録しておりほぼスキのない布陣と言っていいでしょう。

リスニング対策についても、ネイティブ発音の単語が合計20万語ほど入っており、十分すぎるほどと言えます。

また、辞書ではありませんが、英検の問題集・単語帳が計13冊、TOEICの問題集も6冊収録されていますから、資格試験を念頭においた勉強にもこれ1つで十分対応可能。

高校生モデルということで電子辞書の中ではお値段は安いほうですが、それでも2万円を超えてきます。

この辺は電子辞書を買う際には避けて通れないところですが、確実に元は取れます。

シャープ 大学生・ビジネス向けカラー電子辞書 Brain PW-SB5-R

この辞書の評価
レベル(高校生から大学生までOK)
(4.5)
収録辞書数(11冊)
(4.0)
使いやすさ
(4.0)
充実度
(4.5)
値段
(3.0)

こちらは大学生からビジネスマン向けの電子辞書です。

収録されている辞書がカシオのものより少ないのでは?と思われるかもしれませんが、この電子辞書に入っているのはリーダーズや和英大辞典など、収録語数が圧倒的に多いものばかり。

また、特筆すべきは「200万語専門用語英和和英大辞典」でしょう。

これは紙の辞書では刊行されていない電子版のみのコンテンツです。

ITから生命科学までを広くカバーしているので、特にその分野に携わっている方なら必ず役に立つと思います。

英英辞典もOxfordとロングマンという正統派の辞書を収録しており、日々の使用に十分すぎるほどのボリュームです。

高校生用のモデルではないためか、英検の教材は入っていませんが、その分TOEICやTOEFLまでカバーしているのがポイント。

さらにビジネス英語に特化して、メールの書き方辞典やビジネス英語表現辞典も入っているので、社会人にはとてもありがたいですね。

なお、こちらの辞書はカシオのものと異なり、バッテリーが充電式です。

連続120時間使えるので安心ですよ。

まとめ:紙の辞書・電子辞書は一長一短。特徴を理解して使おう

紙の辞書と電子辞書はそれぞれお互いにないメリットがあります。

当然両方持っているのが理想ですが、ご予算と今のレベルにあったものを選ぶのが先決。

自分のレベルアップに合わせて辞書も買い換えていきましょう!

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