英語の句読法その1:意外と奥が深いコンマの主な使い方3つ

日本語でも、「、」や「。」との使い方、いわゆる句読法(くとうほう)については大人でもあやふやなところが多いですよね。

これが英語になったらどうでしょう。自信をもって使いこなしていると言えるでしょうか?

そこで、この記事では英語の句読法の中の基本であるコンマ(カンマ)の使い方を解説しています。

大切なルールは大きく3つしかありません。

日本語の感覚とも似ているところも多いので気負わずマスターしましょう。

英語におけるコンマの3つのルール

実は、英語の文章を書くときにどこにコンマをおくか、ということについてはそこまで厳密なルールというものはありません。

ですが、読み手にとってわかりやすい文章を書くという意味で、ここにはコンマを置いたほうがいい、というパターンはいくつかあります。

それが以下の3つです。

  • Introducers(導入)
  • Coordinators(接続)
  • Inserters(挿入)

では、それぞれどんなものか、例文とセットで見てみましょう。

MEMO
厳密にはもっといろいろな用法がありますが、ここでは基本的なものとして上の3つをとりあげています。

「導入」のコンマ

最初の導入のコンマですが、これはその名のとおり、文の最初のほうに置いて、どこまでが前置きでどこからがメインの文章かを分かりやすくするものです。

よく置かれる位置としては、

  • 接続詞の次
  • 前置詞を含んだフレーズの次
  • If/Whenなどで始まるフレーズの次

などがあります。

※あまり文法の専門用語を使いたくないので、あえてざっくりとした言い方で説明しています。

それぞれ例文はこんな感じです。

例文

▶ Unfortunately, I was not able to attend the lecture.
(残念ながら、私はその講義に参加できなかった。)

 

▶ In some cases, we rely on non-verbal communications such as gesture or facial expressions.
(場合によっては、われわれはジェスチャーや表情といった言語外のコミュニケーションに頼る。)

 

▶ If the experiment fails, we have to repeat it.
(もしその実験が失敗したら、それを繰り返さないといけない。)

 

なお、この導入のコンマは文章が短いときには省略されることもあります。

たとえばこんな感じですね。

例文

▶ Occasionally I work from home.
(時々私は家から仕事をする。)

 

▶ In this case no change is necessary.
(この場合は変更は必要ない。)

また、ifやwhenを含むフレーズがメインの文章のあとに来る場合もコンマは省略可能です。

先ほど上に出てきた3つ目の例文を使ってみるとこんな感じになりますね。上と比べてみてください。

例文
▶ We have to repeat the experiment if it fails.
※意味は上の例文と同じ。

「接続」のコンマ

次に接続のコンマですが、このパターンはさらに2つに分かれます。

まず、完結している文どうしをandやbutなどの接続詞でつなぐときに使う場合。

これはよくある形ですので分かりやすいのではないでしょうか。

例文
▶ I was able to finish the work early, so I went home before 5pm.
(私は仕事を早く終えられたので、5時前に家に帰った。)

 

▶ You have to start working on the application right away, or you will miss the deadline.
(申し込みを今すぐ始めないと。でないと締め切りを逃してしまうだろう。)

 

▶ We did everything we could to stop the car, yet it smashed into the building.
(私たちはその車を止めるためにできる限りのことをしたが、車は建物に突っ込んでしまった。)

この接続のコンマの場合も、文が短い場合には省略されることがあります。

例文
▶ I called his name but he didn’t answer.
(私は彼の名前を呼んだが彼は返事をしなかった。)

 

▶ He cooks and does the dishes all by himself.
(彼は料理も皿洗いも自分でやる。)

もうひとつは、何かを列挙するときに、列挙されているものを区切るためにコンマを入れる場合です。

通常、列挙するものが3つ以上になったときにコンマを入れます。

ちなみに、列挙するのは名詞でも形容詞でも、あるいは動詞やフレーズでも大丈夫です。

ただし、列挙したものの最後の直前にandやorなどを入れるのを忘れないようにしましょう。

例文
▶ Martin speaks English, French, Italian, and Dutch.
(マーティンは英語、フランス語、イタリア語、そしてオランダ語を話す。)

 

▶ Dan is a young, talented, hardworking, yet bureaucratic guy.
(ダンは若く、才能があり、よく働くが、官僚的なやつだ。)

 

▶ When writing a paper, students learn to search, read, analyse, organize, and revise.
(レポートを書く時には、学生は調査し、文献を読み、分析し、構成し、そして修正することを学ぶ。)

 

▶ You can use this device on campus, at home, or even outside Japan.
(この装置はキャンパスでも、家でも、あるいは日本国外でさえ使うことができる。)

上の例とよく対比されるのですが、たくさんの形容詞がそれぞれ別の形容詞(句)を説明する場合には、最後のandやorは不要なので要注意です。

分かりづらいので例を挙げましょう。たとえばこんな場合ですね。

比較(コンマが不要な場合の例)
▶ She ordered numerous English historical novels.
(彼女はたくさんの英語の歴史小説を注文した。)

この場合、historical はnovelsを説明していて、Englishは”historical novels”を説明していて、さらにnumerousは”English historical novels”を説明しています。

これに対して、同じ形容詞を列挙している先ほどの2番目の例文は、youngもtalentedもhardworkingもbureaucraticもすべてguyという名詞を説明しています。

(young guyでtalented guyでhardworking guyなんだけどbureaucratic guyなとこがあるんだよな、というのが上の例文の意味です。)

「挿入」のコンマ

3つ目の用法は、文の中に追加の情報を挿入する場合に使うコンマです。

挿入されるのはhoweverやthereforeといった接続副詞のほか、もっと複雑なフレーズが入ることもあります。

なお、この挿入のコンマの見分け方は、コンマで挟まれた部分の前後をつなげても意味が通じるかどうかによってわかります。

タイトル

▶ What they are trying to say is, basically, we should give up.
(彼らの言ってることは、基本的に、あきらめろ、ってことだ。)

 

▶ This solution, in my opinion, will not make any difference.
(この解決法は、私が思うには、効果がないだろうな。)

 

▶ Not many foreigners know that Kyoto, which attracts more than a million visitors from abroad every year, used to be the capital of Japan.
(京都は、毎年100万人を超える観光客を海外から集めているが、かつて日本の首都であったことを知る外国人は少ない。)

それぞれの例文で、コンマの前後を直接くっつけてみてもちゃんとした文章になるのがお分かりいただけるかと思います。

この派生形でいわゆる「同格のコンマ」というのがありますね。

コンマの前の名詞と同じものを言い換えているのがポイントです。

例文

▶ Albert Einstein, one of the most prominent scientists in the 20th century, died in 1955.
(20世紀でもっとも優れた科学者の一人であるアルバート・アインシュタインは1955年に亡くなった。)

この例でいうと、アルバート・アインシュタイン=20世紀でもっともすぐれた科学者、という言い換えをしていると思っていただければOKです。

まとめ

たかがコンマ、されどコンマ。

ややもすると文章の意味が変わってしまうので、基本を正確に押さえておきたいところ。

ライティングの際にも気を付けたい部分なので、しっかりマスターしましょう!

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