最近の高校入試の英語は長文読解の比重が高まっています。
一方で、過去問をやっていてもなかなか時間内に解き終わらないという人も多くいますね。
この記事では、
- 入試の読解問題が終わらなくて困っている人
- どのくらい「早く」読めばいいのか目安が知りたい人
- 英文読解のスピードを上げたい人
に向けて、合格水準に達する読解スピードはどれくらいで、どうやってスピードを上げたらいいのかについて説明しています。
また、スピードを計る「WPM」という指標についても説明していますので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
Contents
長文化が続く高校入試の英語。合格にはスピードも必要!
よく知られているように、最近の高校入試では単純な知識問題は減って、読解のウエイトが高まっています。
また出題についても、問題文の内容と一致するものを選ばせるなど、全体的な理解が問われるものが多いですよね。
特に難関校では選択肢もすべて英語で書かれていたりして、とにもかくにも英語を一定のスピードで読みこなす力が問われていると感じます。
例として、2019年度の青山学院高等部の入試問題を挙げてみましょう。
長文問題は全部で3題あり、問題文の英単語数だけで約1,430語もあります。
加えて、最後の長文で出題される内容一致問題の選択肢もやはりすべて英語。
ということで、ある程度英語力があっても、読むのが遅いだけでかなりハンデを負ってしまうのが実態です。
英文読解スピードの目安となるWPMとは?
このように、高校入試の英語には速読力も必要になってくるのですが、実際に自分がどのくらいのスピードで英語を読めているのか知っている人は少ないでしょう。
英語を読む速さを示す単位にWPMという指標があります。
これはWord Per Minuteの略で、1分間に何語の英単語を読めているかを計る指標。
ネイティブスピーカーでは平均的な大人で300wpm、8年生(中2)でも250wpmくらいと言われています。
もちろんこのレベルに到達できればベストです。
ただ、ネイティブでない我々の目安としては、日本人の中学生なら100~120wpmあればまず問題なしと言えるでしょう。
ただし、なんでもかんでも早く読めばいいというわけではなく、内容の理解に支障がでない程度の速さで読めるのが前提です。
自分のWPMを計るにはどうすればいい?
今自分のWPMがどのくらいのレベルにあるのか、気になる人はどうやって計測すればいいのでしょうか?
もちろん、自分で教材とストップウオッチを用意して計ってみてもいいのですが、ちょっとめんどくさいですよね。
そこでおすすめしたいのが、日本速脳速読協会が開発した
というサイトです。
この中では中学1年生レベルから高校受験レベル、さらには難関私立大学レベルまで様々な英文を読むことでWPMを算出してくれます。
また、理解度チェックもついているので、総合的な英語読解力も併せて計ることができます。
チェックだけなら無料ですので、現在の実力を知る上で一度試してしてみると面白いですよ。
WPMを上げるために必要なこととトレーニング方法
自分のWPMがどれくらいか分かったところで、次に考えたいのが英文読解のスピードを上げる方法です。
英文が速く読めない理由のうち、ほとんどは以下の3つに集約されます。
- 単語力が足りない
- 文法力が足りず、ひとつの英文を処理するのに時間がかかる
- 英語を読むときにいちいち和訳しようとするクセがついている
まず単語力についてはそもそもいくつくらい英単語を覚えればいいのか?ということが気になりますよね。
目安については、高校受験で難関校を目指すなら2,000~2,500語くらいがひとつのベンチマークです。
以下の記事で詳しく説明しておりますので併せてどうぞ。
文法力については、日々の地道な積み重ねがものを言います。
といっても、あまりにも複雑な文法を事細かくマスターする必要はありません。
そもそも速読には高度な文法知識は求められていないですからね。
要点だけをざっとおさらいするのであれば、いちいち文法書を読む必要もなし。
それより、スタディサプリのようなオンラインの講義動画を1.5倍速くらいで聞いてしまうほうがずっと速いしカンタンです。
無料体験もやっていますし、正式に申し込んでも月2,178円(税込)と格安。
何より予備校の先生がわかりやすく解説してくれるので、ひとりで悩むこともありません。
文法が苦手な人はスタディサプリで復習しておくと後がグッと楽になりますよ。
3つ目の英文を和訳してしまうクセについてですが、これを直すにはカンタンな英語をサクサク読むことから始めると効果的です。
目安としては1学年下くらいのものでOK。
なのでたとえば受験生なら中2の教科書から始めてもいいかもしれません。
ただ、最近の教科書は語数が少なすぎるので、慣れてきたら少しずつレベルを上げていきましょう。
WPMを上げるのにおすすめの高校入試向け教材
最後に、WPMを上げるトレーニングにちょうどよい市販の問題集をレベル別に3冊ご紹介します。
初級向け:本多式 中学英語マスター速読長文
速読だけでなく、そもそも英語を読むことの練習から始めたいという人にもうってつけの問題集です。
最初の問題文はなんと20語程度。
これなら苦にならないですよね。
そこから最終的には500語超の英文を10分以内に読めるように作られていて、ゴールとしては50wpmくらいを目指す教材となっています。
中級向け:ハイパー英語教室中学英語長文 2(入試長文がすらすら読める編)
公立高校の過去問をベースとして、1題につき120語~200語くらいの英文を読んで回答していく問題集。
2分前後で問題文を読み切り、7割程度の正答率を維持できれば60~100wpmくらいのレベルに到達したことになります。
ほとんどの学校であればこのレベルで対応できるでしょう。
もしちょっと難しければ、このシリーズの「超基礎からはじめる編」を使ってみてもいいですね。
ちなみに、著者のひとりは受験英語界の大御所、安河内哲也先生です。
上級向け:英文速読トレーニング ソクトレ150【はじめて編】
最後におすすめするのは「ソクトレ」。
300語程度の英文を2分で読み切るスピード、すなわち150wpmを目指した問題集です。
英語のレベルも少し高めなので、一部の難関校を目指す中学生以外にはちょっとしんどく感じるかもしれません。
ただここまでやっておけば、まず高校入試の英語で苦労することはないレベルにまで到達できます。
英語がある程度得意で、得点源にしたい受験生におススメです。
まとめ
入試の英語では一定のスピードで問題文を読み切るスキルが欠かせません。
その目安となるのがWPMです。
自分のWPMを知り、目標となる数値を目指してトレーニングすることで英語の得点力は大幅に向上します。
また、トレーニングする前には基本的な単語力や文法力など、英語の「基礎体力」も併せてチェックしましょう。
この記事でご紹介した方法をもとに、みなさんが高校受験の英語を得意科目に変えられることを願っております!
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