2020年からの大学入試制度改革の影響もあり、高校受験の英語は少しづつ実用的なものにシフトしつつあります。
その一環として、今までは文法や読解問題中心だったのが英作文やリスニングなど、「読む」以外のスキルを試す問題の増加があります。
特に難関と言われる学校では以前からそうした傾向が顕著ですね。
この記事では、東京都・神奈川県・埼玉県の難関大学付属校で英作文が試験に出題されるところをピックアップしました。
また、可能な限り傾向と対策や予想配点などの情報も集めていますので、難関私立を受験される中学生や、その親御さんはぜひ参考にしてみてくださいね。
※ここでいう「英作文」は自分で回答を記述するパターンのものをいいます。
従って、単語を並べ替える「整序英作文」は除いておりますが、「整序英作文」が出題される難関私立付属校についても参考として掲載しておきます。
出題数や出題内容などは変更されることがありますので、予めご了承ください。
Contents
英作文が出る難関私立付属校(男子校)
慶応義塾高等高校
- 出題数 2題
- 出題方式 与えられた日本語の短文を英訳する
- 出題傾向 純粋な和文英訳。少し工夫が必要だが、英作文の問題集で見るような典型的な出題も多い。
- 配点 非公表だが、全体の小問数が例年50問前後と多いため、英作文1つあたり3,4点といったところか。
【ポイント】
与えられる日本語の文をいかに自分の知っている英語表現に落とし込めるかが非常に重要です。
直訳ではなく、「日本語で言っている意味を、英語で伝えるとしたらこうなる」ということを意識して練習するとよいでしょう。
たとえば、「彼が死んでもう3年になります」という文章をみたときに、英語の独特の言い方である”He has been dead for three years.”が思いつくかどうか。
もちろん、It is (has been) three years since he died.でもOKですが、引き出しは多ければ多いほど有利なので、同じ意味の言い換え表現を増やすことも大事ですね。
その他の難関私立(男子校)
<早稲田大学高等学院>
早稲田大学高等学院では「整序英作文」が出題されます。
文法問題の一部として出題され、出題数もわずかですが、受験生のレベルから考えて取りこぼしができないところ。
標準的な問題集を1冊こなしておきましょう。
<立教新座>
立教新座でも「整序英作文」が例年、最後の大問で出題されます。
大問として独立しているためそれなりに配点はあると予想されます。
問われている内容はそこまでひねったものではないので、典型的な問題に慣れておけば合格レベルに届くでしょう。
英作文が出る難関私立付属校(女子校)
慶応義塾女子高校
- 出題数 1題
- 出題方式 テーマを与えられての自由英作文。語数は通常50語程度。
- 出題傾向 身近な話題に関するものがほとんど。自分の意見を表明するように求められる。
- 配点 不明だが、大問として独立していることや語数も多いことから、10点~15点と予想。
【ポイント】
慶応女子の問題は、高校受験の中でもトップレベルの英作文力が要求されます。
単語力・文法力はもちろんのこと、「論理的」な英文を書くことにも慣れておきたいところです。
※「論理的」な英文の書き方については別記事があるのでそちらもぜひ参考にしてみてください。
英作文が出る難関私立付属校(共学校)
国際基督教大学(ICU)高等学校
- 出題数 4題(うち記述としては2題)
- 出題方式 イラストを見ながら、その場面や話の流れを理解して回答する方式。整序英作文も交じって出題されます。
- 出題傾向 上記のとおり非常に特殊で個別の対策が必要。
イメージとしては、英検準1級の2次試験をスピーキングではなく、短めの英作文にしたと思えばいいでしょう。 - 配点 非公表。大問として独立していることから15点~20点程度か。
【ポイント】
出題傾向のところでも少し触れたとおり、ICUの英語は非常に特殊な出題傾向となっています。
対策としては英検準1級の2次試験の解答例などを参考に、話す代わりに回答を書いてみるといい練習になるでしょう。
早稲田大学本庄高等学院
- 出題数 1題
- 出題方式 読解問題の本文に関連した内容を書かせる問題。
- 出題傾向 最初の1語など一定の条件が与えられる。語数はそれほど多くなく、最大でも10語程度。
- 配点非公表だが、おそらく試験全体の問題数から考えて最大でも5点前後。
【ポイント】
文脈にそった回答ができるかどうかに注目。
本文中の単語が流用できる場合もあるので前後をよく読んでおくとスムーズに回答できるかもしれません。
発想力が要求される設問もあるので、普段は英文の書き換え問題などでトレーニングを積んでおくといいでしょう。
中央大学付属杉並高等学校
- 出題数 1題(ただし、別途整序英作文も出題)
- 出題方式 スタンダードな和文英訳問題
- 出題傾向 標準的な難易度で、与えられた日本語から何となく英語の構文をイメージできるものもある。
- 配点 非公表。大問として独立していることから、5点前後か。
【ポイント】
奇をてらった出題はあまり見られないため、基礎的な練習を続けましょう。
たまに英語にしづらい日本語がたまに出てくるため「日本語をさらに簡単な日本語に置き換える」能力も必要になります。
その他の難関私立(共学校)
<明治大学付属明治高等学校>
明治大学付属明治高等学校では独立した大問で「整序英作文」が出題されます。
英語だけが120点満点の配点となっており、大問の数も多いのが特徴。
ただ、読解とリスニングに重点的に配点されていると考えられるので、整序英作文のウエイトはそれほど高くないでしょう。
また、難易度もそれほど高くないので、処理能力の高さが問われるところです。
まとめ
一口に難関私立付属校といっても、英作文の出題方式は様々です。
高い配点をしているケースも多く、特にトップレベルの学校では和文英訳のスキルが欠かせません。
こうした学校を志望されるのであれば、早いうちから英作文の練習に着手しましょう。
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