2020年から小学生に英語の授業が必修科目として導入されます。
また、大学入試制度改革の影響もあってか、中学入試で英語を試験科目に導入する動きも目立ってきていますね。
この数年は英語を受験科目にする中学校が増えており、首都圏模試センターによると、今年は首都圏の国公私立中約300校のうち125校が、選択式などを含め、何らかの形で英語入試を実施する。
2014年度入試の15校と比べ、約8倍の学校数で、「英語1教科」の入試も広がっている。
(出典:朝日新聞)
このままいくと、数年後には中学入試も高校入試のように、「国・算・英」または「国・算・英・理・社」という新たなパターンが定着しそうですね。
この記事では、そんな中学入試の英語について、
- そもそも小学生は英単語をいくつくらい習うことになるのか
- 中学入試の英語では、どのくらいの英単語レベルが求められるのか
- どんな英単語を、どうやって覚えていったらいいのか
という疑問にお答えしていきます。
結論を少し先取りすると、
- 小学生の覚える英単語は600~700語程度
- 中学入試の英語はレベル差が激しい。最難関校は大学入試レベルの語彙が必要
- 英単語は英検を基準にして、そこから広げていくとよい
というのが答えになります。
Contents
小学校の英語、授業で習う英単語数は700語程度
小学校ではすでに「外国語活動」という名称で、年間35時間の英語学習が設けられています。
ただこれまでは会話中心のカリキュラムであったことから、小学校で習う英単語の数は知れていました。
ところが、2020年からの改定により、小学5・6年から英語は正式な「科目」として位置づけられるようになります。
この影響で小学生も今の中学生のように英単語をちゃんと覚える必要が出てくるのです。
なお、文部科学省の指針によると、小学校卒業までに習う英単語数は600~700語と言われています。
現行のカリキュラムで中学生が習う英単語数が1,200語程度ですから、ハードルが徐々に上がってきていることは間違いありません。
とはいえ1日にすれば1,2単語。日々の積み重ねで何とかなるレベルではあります。
だとすると公立小学校での英語はどちらかというと、中学校での英語学習への橋渡しといった意味合いが強そうですね。
中学入試を戦える英単語数はどのくらいなのか?
公立小学校のカリキュラムをこなすだけであれば、日常の勉強の中で少し意識を持てば必要とされる600~700語はクリアできそうです。
ところが、いざ中学入試となるとまったく話は別。
当然、公立小学校で習った内容をベースにしつつ、それより高度な内容が問われることがほとんどだからです。
中学入試における英語のレベルを象徴するもっとも有名(極端?)な例は慶應湘南藤沢(SFC)中学でしょう。
SFCでは目指すレベルを「英検2級~準1級程度」と定めていますが、英検準1級で必要な英単語数は6,000語~7,000語で、大学受験並みです。
すなわち、SFCで要求される英単語は公立で習う量のなんと10倍!
もはやこうなってくると今すぐ対策を取らないと間に合わないのではないでしょうか。
他の多くの私立中学ではそこまで極端でないにせよ、英検2級~3級程度の英単語力をつけておかないと入試で優位に立つことは難しいでしょう。
中学入試対策ではどの英単語を覚えればいいのか?
歴史のある大学入試や高校入試と比べて、中学入試で具体的にどの英単語を覚えたらいいのかというのは非常に難しい問題です。
ただ、一つの目安としてはやはり英検がベンチマークになるでしょう。
英語入試を行っている私立中学の説明によると、難易度の目安に英検を使っているところがほとんどです。
そこから考えると、出題される語彙やレベル感も英検で出題されるものと近似すると考えるのが妥当でしょう。
また、初級レベルの英語ならば覚えるべき英単語はある程度限られますし、その点でも英検がもっともよくまとまっているというのも英検をベンチマークと考えるに足る理由のひとつです。
ここでざっと英検の級ごとの必要英単語数を整理すると、
- 1級:8,000~10,000語程度
- 準1級:6,000~7,000語程度
- 2級:4,000~5,000語程度
- 準2級:3,000~4,000語程度
- 3級:2,000語程度
というのが大まかな目安です。
また、高校入試や大学入試のデータを参考にするのも一案です。
詳しくは以下の参考記事にありますので、よろしければ併せてご一読ください。
中学入試の英語をクリアするためにおススメの英単語帳は?
中学入試の英語は学校ごとのレベル差が顕著です。
したがって、まずはじめにやるべきことはお子さんの受験される学校がどの程度のレベルを求めているのかを確認することです。
あまりに難しい単語ばかり覚えるのは苦痛ですし、英語が嫌いになってしまったら元も子もありません。
さらに言えば、小学生が使用する英単語帳なので、できれば説明が平易なものを選びたいですよね。
ここでは大まかに3つのレベルに区切っておすすめの英単語帳をご紹介します。
中堅レベル(公立小学校レベル~英検3級まで)
ゼロからスタート小学英単語
英語で中学入試を目指すなら最初にやっておきたいのがこの「ゼロからスタート小学英単語」です。
筆者はあの安河内哲也先生。
海外経験なしで英検1級、TOEIC満点など数々の記録を打ち立てている、英語学習のプロ中のプロです。
収録語数は600語となっており、この1冊でまず小学校の範囲をカバーできます。
収録されている単語は名詞が多いのですが、イラストをふんだんに使っておりビジュアルで英単語を覚えていけるので小学生にも気楽に使うことが可能。
この単語集をこなしたうえで、英検4級~3級の単語集へとステップアップしていくのが中堅校クラスの受験対策としてはベストでしょう。
難関レベル(英検準2級~2級程度)
高校入試 世界一わかりやすい中学英単語[難関高校対策編]
正直申し上げて、現在のところこのレベルで小学生向けに発行されている英単語帳はほとんどありません。
そのため、あえて本来であれば高校受験用の英単語帳からこちらをチョイスしました。
こちらもカリスマ予備校講師として有名な関正生先生の著作です。
収録語数は685語ということでやや少なめに思われるかもしれませんが、いずれも高校入試で頻出とされる単語ばかり。
1語1語に解説がついていたり、例文がセットされていることはもちろん、音声ファイルのダウンロードもできるのでリスニングまでカバーすることができるのがポイントです。
小学6年生になって、高レベルの英語力が要求される難関中学受験対策を本格的にはじめるころから使いだすくらいでちょうどよいでしょう。
最難関レベル(英検2級~準1級程度)
英単語の語源図鑑
慶應SFCや千葉の市川中学など、最高難度の英語が出題される学校を受験される場合、質・量ともに公立小学校のカリキュラムからは大きくかけ離れた勉強をする必要があります。
その前提で英単語帳をおすすめするとしたら、この英単語の語源図鑑がベスト。
ハイレベルな単語までをカバーしつつ、語源という切り口と豊富なイラストで小学生でも興味を失わないようなレイアウトになっているところがこの本の非常に優れた点です。
ただでさえ負荷のかかる英語という科目ですので、せめて単語くらいは少しでも楽しめるようになってもらえたらという思いも随所に見ることができ、作り手の想いが伝わってきます。
この手の本にしては異例の50万部という大ヒット商品ですし、中学入試が終わった後もずっと使えますので、手元にあって損はありません。
もちろん、通常の受験勉強をしていることが前提ではありますが、最難関校を目指すだけの素養と知的好奇心があるお子さんにはうってつけの1冊としておすすめします。
まとめ:中学入試の英語は、ゴールから逆算した早めの対策を!
英単語数を切り口に、2020年の公立小学校における英語必須化と中学入試への対策を考えてきました。
これだけでも、求められる英語の水準がこれからどんどん上がっていくことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
単語力だけにとどまらず、読む・聞く・書く・話すという4技能をバランスよく伸ばしていくことが必要になってきます。
かといって、いくらでも英語にお金をかけられるわけではないですよね。
中学受験はそれでなくても塾代がかさみます。
そこでおすすめしたいのはスタディサプリです。
月2,178円(税込)という極めてローコストで、いつでもどこでも英語学習ができますし、オンラインなので時間も問いません。
小学生でも興味を持って学習できるコンテンツがたくさんありますので、下手に英会話教室に通わせるくらいなら一度試してみてはいかがでしょうか。
この記事が小学校の英語必須化や、中学入試への影響を不安に感じている皆さんお参考になれば幸いです。
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